ご挨拶
理事長あいさつ
2023(令和5)年5月19日、広島市で開幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する米国バイデン大統領は、前日の18日、大統領専用機で米軍岩国基地に降り立ちました。同基地に降り立った米国の大統領としては、2016(平成28)年のオバマ大統領に次いで二人目です。
60年ほど前のことです。この米軍岩国基地からヘリコプター一機がるりがくえんに飛来したことがあります。降り立ったのは海兵隊副司令官のウイテッカ中佐。園舎の上棟式に出席するためです。「障害児の問題は国境を越え、人種を越えた問題。忙しい世の中で忘れられがちな障害児のためにお役に立てたことを光栄に思う」。中佐の挨拶に、創設者である村上修好園長は「カルチャーショックを受けた」と書き残しています。
当時、るりがくえんは私塾。1956(昭和31)年に開設した園舎が火事で焼失。移転先の園舎は山口国体関連道路の拡幅工事で立ち退きを余儀なくされました。本部のある現在地に土地(7500㎡の平地林)を求めたものの整地する資金がありません。福祉仲間の情報を得て頼みに出向いた先が岩国基地でした。2日後には快諾の返事があり、手続きは不要。二人の海兵隊員がブルドーザーを持ち込み整地。その地鎮祭、園舎の起工式にも別の中佐がジープで駆け付けるほど親身な対応でした。
すぐ近くには幕末維新の英傑大村益次郎を祀る神社と墓、そして周囲6キロの広大な長沢池が素晴らしい景観を醸し出しています。この地から北へ20キロ先の宮野にはSDGsの見本のような土地と施設(建物、プール、テニスコートなど)丸ごとリュースのもうひとつのキャンパスがあります。
この二つのキャンパス併せて約90人の職員が「わたしたちは社会的自立/自律を目指ざしてハビリテーションに挑戦します」(基本理念)を胸に、約140人の利用者さんの支援に日々励んでいます。
また、キャンパスを越えて地域の皆さまと共生する活動を続けています。
新型コロナウイルスに関連して、マスクの自由化、そして、感染法上の位置づけが5類に移行されました。しかし、「第九波にさしかかっている」とも言われ、終息にはもう少し先になりそうです。このような中で、職員一丸となって、慎重に、慎重を重ねながらコロナ前の日常を取り戻せるよう努力しています。
るりがくえんは、今年で創立67年、法人化52年になります。組織の健康のためには老壮成のバランスが必要です。そのためにも若年層を必要としています。インターシップを積極的に受け入れていますので、ご関心のある方はぜひご連絡ください。